「意志」に頼らず「環境」を変えろ。生活圏からギャンブルを消し去る3つの鉄則

実は僕、ある一言が心に深く響いたことをきっかけに、ギャンブルを1年辞めることができました。そして今も、その記録を更新し続けています。
以前の僕は、何度も「意志」で辞めようとして、何度も裏切られてきました。 だからこそ思うんです。「僕に響いた一言」も大切だけれど、僕の孤立した考え方だけを伝えるのでは不十分かもしれない。世界には、もっと多様な「救いのヒント」があるはずだ、と。
そこで今回は、シリーズ第5弾として【オーストラリア編】をお届けします。 世界一のギャンブル損失額を記録する「ギャンブル超大国」オーストラリア。彼らが教えてくれるのは、「意志」に頼らず「環境」を強制的に変えてしまう、極めて現実的な戦略です。
1. 空間の隔離:自分の生活圏を「立ち入り禁止区域」にする
オーストラリアには「Venue Self-Exclusion(会場自粛)」という制度があります。自分がよく行くパブやカジノに対して「私を中に入れないでください」と一括で申請できる仕組みです。
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オーストラリア流の視点: 自分の意志を信じるのではなく、**「物理的にその空間に入れない状態」**を公的に作る。
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日本での実践: 日本にはまだこの公的制度がありませんが、自分で**「マイ・エリア・ルール」**を決めることはできます。
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負けた店の前は二度と通らない「迂回ルート」を固定する。
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「あの場所は娯楽施設ではなく、自分にとっての有害物質(毒)が置かれている場所だ」と脳に再定義させます。
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2. 経済権限の譲渡:自分を「金庫番」から解任する
オーストラリアの支援現場では、依存症の状態にある本人にお金を持たせることを、非常に厳しい言葉で警告しています。
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オーストラリア流の視点: “Adding fuel to the fire”(火に燃料を投下する)。 依存症の状態でお金を持つことは、燃え盛る火の中にガソリンを投げ込むのと同じくらい危険なことだと考えられています。だからこそ、他人に「経済的な防衛線」を引いてもらうことが推奨されるのです。
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日本での実践(僕の考え): 正直に言うと、僕はカードを全て家族に預けているわけではありません。ですが、この「火に燃料を投下する」という言葉を知った時、ハッとしました。「自分で管理できる」という根拠のないプライドが、一番危ないのだと気付かされたからです。 家族にお金の流れを隠さない「透明性」を持つこと。そして「自分は金庫番として信用しすぎない」という客観的な視点を持つことが、僕の1年断賭を支えています。
3. 空白の再定義:「辞める」ではなく「成功体験で上書きする」

今回、僕が最も共感したのがこのポイントです。オーストラリアの専門家は、ギャンブルを辞めた後の「膨大な空白の時間」をどう埋めるかを最重視します。
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オーストラリア流の視点: ギャンブルを「辞める」だけでは空白を耐えられない。その時間を**「別の具体的な行動」**で上書きしなければならない。
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日本での実践(小さな成功体験): 以前、僕が書いた「ギャンブルを辞めてからやる趣味」についての記事にも繋がりますが、僕はただ暇を潰すのではなく、**「小さな成功体験を積み重ねること」**を目的としています。
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プチ目標の設定: 散歩を30分する、本を5ページ読む。そんな小さなことでいいんです。
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自分への信頼を取り戻す: 依存症時代、僕らは自分にも他人にも「小さな嘘」をつき続けて、信頼を失ってきました。その嘘を、小さな「やり遂げたこと」で一つずつ消していくんです。
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「暇」をギャンブルへの誘惑ではなく、**「失った自分自身の信頼を取り戻すための修行時間」**に変える。これが、僕が1年継続できている大きな理由です。
僕が以前書いた「ギャンブルを辞めてからやる趣味」についての記事はこちら
結び:「場所」と「金」と「時間」を制するものが勝つ
オーストラリアの対策が教えてくれるのは、**「依存症は、環境が作る病気である」**ということです。
「行きたくないのに行ってしまう」のは、あなたの心が弱いからではありません。あなたの周りに「行けてしまう環境」と「空白の時間」が残っているからです。
今すぐ、店を通らないルートを決め、自分を「金庫番」として過信せず、明日の「小さな成功体験」の予定を立ててください。環境さえ整えば、意志の力なんて必要ありません。
【この記事の参考文献・引用元】
Gambling Help Online (Australia):会場自粛や家計管理のガイドライン
Victorian Gambling and Casino Control Commission (VGCCC):会場自粛制度(Self-Exclusion)の運用データ
Relationship Australia:家計主導権の移譲に関するカウンセリング資料
