「見たくない」は正常な反応。でも、目をそらしても地獄は消えない
15年という長い年月を依存症に奪われた私だからこそ、伝えられることがあります。私はこの壮絶な経験を単なる「過去」にせず、一般教養として落とし込むことで、一人でも多くの方にギャンブル依存症への理解を深めてもらいたいと考えています。
社会の「理解」こそが、依存症に苦しむ人々を解放する唯一のすべである。
そう確信しているからこそ、私はこうして発信を続けています。
ギャンブルをしない方にとって、依存症の世界は非常にニッチな領域かもしれません。そんな中でこの記事に辿り着き、正しく知ろうとされる皆様の好奇心の深さと教養の高さに、心からの敬意と感謝を申し上げます。あなたのその「知ろうとする力」が、社会を変える一歩になります。
人間には、得体の知れないものを怖がり、拒絶する本能があります。依存症という言葉を聞いて「怖い」「自分には関係ない」と拒絶感が出るのは、脳が自分を守ろうとしている正しい状態です。
しかし、今の日本において、依存症という現実から目をそらすことは、崖の目の前で目隠しをして歩くのと同じくらい危険なことです。「見たくない」という本能を一度横に置いて、まずは「正体」を知ってください。
安全な場所から当事者を「クズだ」と叩いてスッキリするのは、何の解決にもなりません。本当にこの問題をなくしたいと思うなら、感情論ではなく「仕組み」を理解する必要があります。
1. 依存症は「人格」ではなく「脳」の故障
依存症は「性格の欠点」ではなく「脳の病気」です。ギャンブルによる過剰な刺激は、脳内の快感スイッチを焼き切り、理性のブレーキを物理的に壊してしまいます。これは、エンジンの止まった飛行機のパイロットに「気合で空を飛べ」と言うのと同じくらい無茶な話なのです。
2. 孤独と罪悪感が「再発」を加速させる
非依存者が陥りやすい「良かれと思った行動」が、実は病気を悪化させていることがあります。
- 厳しい罵倒: 孤独を生み、現実を忘れるためのギャンブル(麻酔)へ追い込む。
- 借金の肩代わり: 猛烈な「罪悪感」を生み、そのストレスを消すためにまたギャンブルに走らせる。
正論や優しさが、皮肉にも依存症という怪物を太らせるエサになってしまうのです。
3. 知識こそが、あなたと大切な人を守る盾
カジノが解禁され、身近にリスクが迫るこれからの時代、依存症の正しい知識(リテラシー)は必須の教養です。知らないから怖くなる、知らないから間違った対応をしてしまう。この教科書を通じて、救えるはずの命を救うための第一歩を踏み出しましょう。
- 拒絶は脳の防衛本能。でも、逃げるほど崖は近くなる。
- 依存症を学ぶことは、社会を救う「教養」である。
- 「意志」ではなく「脳のバグ」として理解する。
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