究極の合理的・防衛スタイル
実は僕、ある一言が心に深く響いたことをきっかけに、ギャンブルを1年辞めることができました。そして今も、その記録を更新し続けています。
以前の僕は、何度も「意志」で辞めようとして、何度も裏切られてきました。
だからこそ思うんです。「僕に響いた一言」も大切だけれど、僕の孤立した考え方だけを伝えるのでは不十分かもしれない。世界には、もっと多様な「救いのヒント」があるはずだ、と。
そこで今回は、海外のギャンブル依存対策を取り上げるシリーズの第4弾として【イギリス編】をお届けします。
根性論は一切なし。「自分を信じない」という究極の合理的な考え方が、もしかしたら今のあなたを救う一言になるかもしれません。
精神論を捨て、徹底的に「自分を封じ込める」イギリス流の3本柱をご紹介します。
1. 知識の盾:ギャンブルを「数学的バグ」と定義する
イギリスの支援現場では、依存症を「運が悪い」とも「心が弱い」とも言いません。**「脳が、数学的な負けの仕組み(ハウスエッジ)に騙されている状態」**と教えます。
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イギリス流の視点: ギャンブルは娯楽ではなく、参加した瞬間に資産を削られる「欠陥のある取引」である。
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日本での実践: パチンコの還元率や、期待値がいかに「100%」を切り、回せば回すほどゼロに近づくかを、徹底的に「知識」として脳に叩き込みます。
感情で「やめなきゃ」と思うのではなく、**「こんな不利な取引に応じるなんて、自分は今、脳がバグっているんだ」**と知性で自分を突き放すのがイギリス流の第一歩です。
2. 先払いの儀式:給料日の朝に自分を「一文無し」にする
イギリスの公的機関が推奨する最も強力な防衛策は、**「手元に現金を残さない」**という物理作戦です。
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イギリス流の視点: 意志の力で残そうとするから、魔が差す。最初から無ければ、打ちたくても打てない。
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日本での実践(目的別口座の活用): 給料が入ったその瞬間に、ネット銀行の「目的別口座」や「自動振込」を使い、以下の支払いを即座に完了させます。
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家賃、光熱費、通信費の先払い
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食費の別口座への隔離
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借金の返済
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貯金(引き出しにくい口座へ)
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ポイントは、**「自由に引き出せるメイン口座の残高を、給料日の午前中に1,000円以下にする」**こと。自分を「強制的な金欠状態」に追い込むことが、最大の守りになります。
3. ハーム・リダクション:スマホを「非・ギャンブル仕様」に改造する
「ハーム・リダクション(害の最小化)」とは、完璧を目指すのではなく、まず「被害を最小限に抑える環境」を作ることです。イギリスでは銀行アプリに「ギャンブル決済ブロック」がありますが、日本でも代用可能です。
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SNSのクリーンアップ: X(Twitter)やYouTubeの広告設定で、「ギャンブル」を「興味なし」に徹底的に登録します。スマホを眺めているだけで誘惑が飛び込んでくる状態を、自らの手で遮断します。
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物理的なアクセス遮断: スマホに「i-フィルター」などのフィルタリングソフトをかけ、ギャンブルサイトを閲覧不能にします。そして、その解除パスワードを信頼できる人(家族など)に設定してもらい、自分は知らない状態にします。
YouTubeでギャンブル系動画を見ない方法を書いた記事がこちら
結び:反省する暇があったら、設定をいじろう
イギリス流の考え方に「反省」という文字はありません。あるのは「設定」と「対策」だけです。
「また行ってしまった」と自分を責めるエネルギーがあるなら、その指で銀行アプリを開き、その指でSNSの広告設定をオフにしてください。
自分を信じてはいけません。自分を信じない人だけが、物理的な仕組みによって、自分を守ることができるのです。
【この記事の参考文献・引用元】
今回の内容は、ギャンブル対策の先進国であるイギリスの公的機関や支援団体の情報を参考に、日本での実践向けにまとめたものです。
NHS(イギリス国民保健サービス):ギャンブル依存を「数学的・医学的」に捉える指針
GamCare:イギリス最大の支援団体による「お金の管理(支払いの自動化)」の推奨策
Monzo Bank / Lloyds Bank:銀行アプリによる「決済ブロック」の仕組み
BeGambleAware:ギャンブルの「仕組み(期待値)」を正しく知るための教育プログラム
