足の遅い人に「速く走れ」は残酷か?
できない前提から始まる、最高のチームビルディング
かつて、私は「完璧な円」になろうとして壊れた
「誰からも文句を言われない、欠点のない人間にならなきゃいけない」
20代の頃の私は、そう自分に言い聞かせ、レーダーチャートの「凹み」を埋めることに必死でした。苦手な調整業務を無理に引き受け、愛想を振りまき、自分の「尖り」であるこだわりを押し殺す。その結果、待っていたのは**過呼吸になるほどの精神的な限界**でした。
自分の形を無理に変えても、歪みが出るだけ。削り落とされた個性は、結局誰の役にも立ちませんでした。
【現場の真実】個の「尖り」が噛み合って円になる
無理に丸くならず、凹凸をパズルのように組み合わせる。
「努力」で解決できない壁を認める誠実さ
現場で10人のメンバーを率いていると、残酷な真実に直面します。どれだけ丁寧に、熱心に指導しても、どうしても習得できない人がいる。
これは「足が遅い人に、明日から100mを10秒台で走れ」と強要するのと同じです。本人の形がその作業に向いていない。それを「やる気がない」と片付けるのは、リーダーの怠慢です。私は**「できない人は存在する」という前提**で向き合っています。それは諦めではなく、適材適所を見つけるためのスタートラインなのです。
「凹み」を隠さなかった部下が、プロジェクトを救った話
かつて私のチームに、事務作業が致命的に苦手(凹)な部下がいました。書類はミスだらけ。しかし、現場の突発的な機械トラブルが起きたとき、誰よりも早く原因を見抜く「異常な洞察力(凸)」を持っていました。
私は彼に「足が遅いなら、怪力で荷物を運べばいい」と伝えました。事務作業は得意な誰かに任せ、彼は現場のトラブル解決に専念させた。結果、チームの生産性は最大化されました。
「苦手なことは、得意なやつに任せろ。その代わり、お前の武器でチームを救え」
「尖り」を見つけるヒントと、誤解してはいけないこと
「自分には尖った部分なんてない」と思うかもしれません。でも、**「自分では当たり前だと思っているのに、なぜか他人から驚かれること」**はありませんか? それこそが、あなたの隠れた「凸」です。
⚠️ 注意:それは「わがまま」ではないか?
凸凹の補完とは、共通のゴール(円)に向かって自分の形を活かすことであり、他人に迷惑をかけるための免罪符ではありません。個性を出すことと、組織のルールを無視することは別物です。
