「意志が弱いだけ」で片付ける前に知ってほしい|正論の刃に傷つくあなたへ
先日、ギャンブル依存症の更生施設のドキュメンタリー動画を見ました。そこには、20代や30代の若者が、生活保護を受けながら必死に自分を作り直そうとしている姿が映し出されていました。
しかし、私がそれ以上に衝撃を受けたのは、この動画の「コメント欄」です。そこに並んでいたのは、ぐうの音も出ないほどの「正論」の嵐でした。
「生活保護なんて税金の無駄。働け」
「自業自得。同情の余地なし」
借金150万円を作り、大学を中退した経験を持つ私にとって、これらの言葉はナイフのように胸に突き刺さりました。「ああ、やっぱりこの苦しみは、経験したことがない人には一生理解されないのかもしれない」と。
金額の問題ではない。その裏にある「詰み」の感覚
「120万なんて必死に働けば返せる」――確かに数字だけを見ればそうかもしれません。でも、依存症者が絶望するのは金額が多いからではなく、「その金額を積み上げるまでに、大切な信頼をすべて使い果たしてしまったから」です。
- 親に泣きついて借りたお金も、もうない。
- 友人についた嘘がバレて、連絡が途絶えている。
- 「もう二度としない」という自分との約束を1000回破ってきた。
正論は「正しい」。でも、人は正論では救われない
溺れている人に岸から泳ぎ方を説教しても助かりません。今必要なのは、説教ではなく投げ込まれる一本のロープです。私が前を向けたのは、厳しい正論ではなく「それは苦しかったね」と現状を受け入れてくれた仲間の存在があったからです。
もし、あのコメント欄を見て自分を責めている人がいたら伝えたい。「甘え」の一言で片付けられるほど、あなたの苦しみは浅くない。私は、あなたの痛みを否定しません。
