現代社会の必須教養:依存症学
教本第四号(完結編)

第四章:自己信頼の再構築
―「1日1得」が魂を救い、社会的責任を全うする―

依存症という地獄の底から這い上がったその先、どうやって「壊れた自分」を立て直していくのか。最終章となる本稿では、お金よりも大切な「自分への信頼」を取り戻すための、具体的かつ現実的な歩み方を提示します。

第一節:社会的責任から逃げない「真の底つき」

不祥事(横領や借金トラブル)が発覚した際、会社の温情や家族の嘆願で事件を「無かったこと」にするのは、本質的な救済ではありません。罪を不問に付すことは、脳に「いざとなれば逃げられる」という致命的な誤解をさせ、再発を確実なものにします。

家族は会社側や警察に対し、「適切な処罰や回復施設への入所」を条件にするよう協力を要請してください。社会的な責任を自ら引き受け、痛みを伴う「底つき」を経験すること。これこそが、本人が病気と向き合うための避けては通れない関門なのです。

💡 周囲(社長・上司)への防衛的根回し:
トラブルが起きる前に、あるいは起きた直後に、家族が代表者へ伝えておくべきことがあります。
「本人は病気です。もし金銭的なトラブルがあっても、絶対に個人で肩代わりをしないでください」。この逃げ道を塞ぐ根回しこそが、結果として本人の命を守る盾となります。
第二節:自分を信じるための「1日1得」

依存症者が失った最大の資産は「自分との約束を守る力」です。何度も自分を裏切ってきた絶望を癒やすには、大きな成功ではなく、小さな「正しい行動」の積み重ねしかありません。

💡 自己信頼を取り戻す儀式:
今日一日、ギャンブルを止める。それだけでなく、今日一日、何かひとつだけ「良いこと(得)」をしてください。挨拶をする、ゴミを拾う、自分を律する。この「1日1得」の積み重ねが、自分の中の「クズな自分」を少しずつ塗り替えていきます。
第三節:孤独を終わらせ、教養へ

依存症の出口は、孤独の終わりから始まります。独りで戦わず、「家族会」で先輩たちの知恵を借りてください。そして、自らの経験をこうして「教養」として発信することは、失った時間を価値へと変える聖域となります。

【全章完結に寄せて】

「知らないから怖くなる、知らないから間違える」。
この教科書を最後まで読み進めたあなたの手には、今、自分と大切な人を守るための「盾」があります。その知識を武器に、一歩ずつ、今日一日を積み上げていきましょう。

カメ吉 著